心理カウンセラーの藤木ミホです。
カウンセリングを受けると、困っていた問題が解消するだけではありません。
カウンセリングでは、様々な良い副産物が生じることもあります。
副産物には、次のようなものがあります。
◆認知の歪みが修正される
◆人生観が変わる
◆自分や世界についての再定義が起こる
などです。
一言で言うと、「ものの見え方が変わる」という事です。
しかし、それがゆえに、クライアントは、カウンセリングの後、違和感を感じる事があります。
また、再び問題を持とうとするクライアントもおられます。
今日は、カウンセリング後の違和感についてお伝えします。
出産した女性の話
昔、出産後の女性のお話を伺った時の話です。
出産後、お腹の重さが一気に減った事で、「歩くと膝がカクカクしている、変な感覚を味わった。」と言われました。
女性によると、「体のバランスの変化に付いていけず、膝だけでなく、全身が戸惑っているようだ。」との事でした。
確かに、赤ちゃんがお腹で大きくなるのは、徐々にですが、出産では一気に重さが減ります。
「一気に大きな変化を体験すると、妊娠中の体の使い方と、出産後の体の使い方が変わって、馴染まない時期がある。」
と女性はおっしゃっていました。
このお話、カウンセリング直後のクライアントにも通じる内容なのです。
荷物を下ろした後の感覚になじむ
クライアントは抱えてきた問題を、カウンセリングによって降ろします。
長年、その問題を抱えていると、心身が「問題あり状態」にすっかり馴染んでいます。
ある日、カウンセリングで、それを一気に降ろす日が来ます。
カウンセリングの場で、クライアントは、その軽くなった状態を喜びます。
しかし、その「問題なし状態」に、クライアントは違和感を感じます。
最初は違和感があっても、時間の経過とともにクライアントは、「問題なし状態」に馴染んでいかれます。
そして、新しいバランスを受け入れていかれます。
この展開は、カウンセリングおける、めでたしめでたしのエンディングです。
しかし、このカウンセリング後に、新たな問題を抱えようとするクライアントもおられます。
新たな問題を抱えるクライアント
カウンセリングで、せっかく荷物を降ろして軽くなったのになぜ?
それは、心身が長年慣れ親しんだ感覚を欲する事があるからです。
昔、留学していた友人に、味付けのりを送って欲しいと頼まれたことがあります。
留学当初は、土地の料理を楽しんでいたのですが、ある日、味付けのりが食べたくて仕方がなくなったそうです。
慣れ親しんだ味を欲したのですね。
似た事が、荷物を降ろしたクライアントにも起こります。
これによって、再び以前と同じような問題を抱えようとするのです。
また他に、次のような問題が生じる事もあります。
「今まで、私は時間を無駄にしたのではないか。」
と思い悩むのです。
苦しんだ日々は無駄だったかもしれない
冒頭で、カウンセリングの副産物についてご案内しました。
◆認知の歪みが修正される
◆人生観が変わる
◆自分や世界についての再定義が起こる
カウンセリングによって快適な状態に入った後、クライアントは考えます。
「今まで苦しんだのは何だったんだろう。」
「なぜ、あんな変な考え方をしていたんだろう。」
「自分を痛めつける人間関係の中にいた自分が馬鹿みたい。」
「ストレスからたくさんのお金を使ってしまった。」
「だから貯金もない。」
「必死で生きてきたけれど、職歴はボロボロ。ろくなスキルもない。」
「年齢だけ無駄に重ねた。」
カウンセリングなどの策を取らず、あまりに長い間問題を抱えると、あっという間に20年、30年と経つ事があるのです。
カウンセリングが効果的で、一気に荷物が降ろされて快適になるのは歓迎すべき事です。
しかし、クライアントにとって、カウンセリングが上手くいくという事は、「認知の歪み」が修正されるという事です。
それは、突如、現実が見えるという事なのです。
夜、眠りについて、そのまま悪夢の中に20年いて、目が覚めたかのようです。
悪夢からは逃れたけれど、自分は20年も歳をとって、厳しい現実を突きつけられたような感じです。
これが、荷物を降ろした事によって生じる事です。
このまま、日にち薬で、「しっかりと現実を生きて行こう!」という力が湧いてくるクライアントもおられます。
しかし、もしもクライアントが新しい感覚になかなか馴染めないようなら、
新しい感覚に馴染むための援助
そして、生きる力とつながる援助
この2つが、クライアントには必要です。
その際もカウンセラーの出番になります。
最後までお読みいただきありがとうございます。(^^)
カウンセリング・コーチング起業の基本が無料で学べます!!